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小児かぶログ(小児発達 第2話)〜中2のジブンに言いたいこと〜

2025.05.27  

中2のジブンに言いたいこと~理想と現実との付き合い方~   

 4月・5月は、親も子も、新しいスタートに伴う環境の変化が大きい時期です。そんな時期に、昔、新しいクラスや学年に変わるときに、「早く新しいクラスで仲が良い友達を見つけなきゃ・・・」と焦っていた自分がいたのを思い出します。

 中2になる子どもの4月の学年だよりに、クラスの担任の先生が生徒に向けたこんなメッセージを見つけました。「お一人様もO.K.」。その先生の言葉は、中高の6年間で、1人でも本当の友達ができればいいんですよ、と続きます。昔の私のように、肩の力が入りがちなこの季節に、生徒に送った先生のメッセージに、保護者としての自分は、大きくうなづいてしまいました。この先生のメッセージから、C.R.ロジャーズという心理学者が提唱した「理想自己」と「現実自己」という概念を思い出したので少し紹介します。

 こんな風だったらいいのに、という理想の姿の自分。現実のありのままの自分。C.R.ロジャーズという心理学者は、この2つを、「理想自己」と「現実自己」という二つの円に例えました。その2つが離れている時、人は苦しさを感じ、不適応を起こすこともある。時期を経たり、視野の広がりとともに自分の考え方や感じ方が少し変わってきたり、実際の自分の姿も変わってくると2つの円が近づき、重なりが大きくなってくる。この重なった部分を「一致」と言い、これが大きいと、自己肯定感が高く、適応的な状態であるとされています。ロジャーズは、カウンセリングのプロセスも、この2つの円がどうやったら近づいていくか、という視点で考えていきました(Rogers, 1959)。

 青年期は、この2つの円のギャップから葛藤が生まれやすい年代であると言われていますが、4月や5月、それに続く時期や、新しい環境に移った直後のタイミングは、大人も子どもも、この二つの円がいったん離れやすい時期かな、と思います。

 そんな時期になると、中2だったジブンにも、そして変化の多い今のジブンにも、「あぁ、肩の力が入ってるよ。」とツッコミたくなります。そして、その後に、「しょうがないよね、今はそういう時期だもんね。」、「今は、少し2つの円が離れていてもO.K.」などと、つぶやいてみるのです。

かぶらき まきこ (臨床心理士・公認心理師)

参考・引用文献
Rogers, C. R. (1959), A theory of therapy, personality
and interpersonal relationships, as developed in the client – centered framework. NY : McGraw – Hill.

(伊藤博編訳 1967 ロジャーズ全集8巻:パーソナリティ理論岩崎学術出版社)

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