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小児かぶログ(小児発達 第3話)『ままならない』子育て〜ペアレントトレーニングのお話〜

2025.08.25  

『いい加減にしなさい!(怒)』 自分の希望が通らないで、『ギャーギャー』騒ぐ子どもと叫ぶように叱る親。レストランやスーパー、電車でよく見かける光景です。夏休みの今の時期、旅行に出かけたりいつもより一緒にいる時間も増え、暑さも加わりイライラが募り、こんな場面がより増えてくるかもしれません。

 4歳の我が家の息子も例外ではありません。旅行先で出かけた宿が大のお気に入りになり、その玄関に置いてあったガチャガチャをやることを楽しみにしていたのに、宿をあとにする時はそれを忘れ、帰りの高速道路のサービスエリアでふと思い出したのです。「〇〇(宿の名前)でガチャガチャやりたかった〜!!!!!」、「今から〇〇に帰ってガチャガチャやる〜!!!!!」。それを大声で叫び出し、私がいくら声をかけても、ヒートアップするばかり。こちらも汗が止まらなくなり、段々声も大きくなっていきます。『ガチャガチャやらないと気が済まない息子』VS 『次もまた機会があるからいいじゃん!と説得する母』の仁義なき戦い。さらにその後の高速道路で渋滞中の車の中でも続き、家族皆、沸騰寸前です。

後で振り返って、『ままならない』なぁ、とつくづく感じるこんな場面。自分の子育ての中にも、溢れています。

あの場面で、自分の頭上の斜め上のあたりから、「あ、ちょっと、お母さん、こんな風な角度で、お子さんにこんな声かけをしてみて。」、「思い切って、お子さんを1分間でいいからその場所から離してみましょう。」など、こっそり対処の工夫を教えてくれたらどんなにいいだろう・・・まるで演劇のように、母役、子ども役をそっくり再現して、それにアドバイスをくれる助っ人がいたとしたら・・・その場面が全く違うものに展開していくかもしれない。そんな育児の困りごとへの具体的な対処を親が学べる方法の一つに、ペアレントトレーニングという手法があります。認知行動療法・行動療法といった心理学の理論を土台にして開発された手法です。そこでは、ファシリテーターと呼ばれる専門家を介して、数組の家族と一緒に、日常に起こりやすい「困った場面」で、我が子にどんな声かけをしたらよいのかを具体的に教えてもらい、生活環境の工夫についてアドバイスをもらうのです。ペアレントトレーニングでは、まずは1〜2週間を振り返り、我が子との間で起きる「困った場面」を中心に記録をつけて、「いつも困ったことになるパターンの洗い出し」をします。親としての自分と我が子との間で起こりやすい「困ったこと」がどんな時間帯でどんなシチュエーションで起こりやすいのか、客観視できるようになります。

発達に偏りのあるお子さんだけではなく、様々な個性を持つ全てのお子さんを持つ保護者にとって、ペアレントトレーニングという方法が、育児の「引き出し」を少し増やす糸口になるかもしれません。

かぶらき まきこ (臨床心理士・公認心理師)

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