秋に気をつけたいダニアレルギー ― 舌下免疫療法という選択肢
2026.10.13前回は、秋に続く鼻水の原因として花粉症のお話をしました。
今回はもうひとつの大きな原因、ダニ・ハウスダストのアレルギーについてお伝えします。
ダニは高温多湿の夏に数を増やし、秋になると寿命を迎えて死んでいきます。
アレルギーの原因になるのは、生きたダニそのものよりも、この死がいと、夏のあいだにたまったフンです。
これらが細かく砕けて室内のほこりに混ざり、8月から10月に量のピークを迎えます。
空気が乾くと舞い上がり、吸い込むことで症状が出ます。9月に症状が悪化しやすいのは、こうした理由からです。
症状は花粉症とよく似ていて、
透明な鼻水、
くしゃみ、
鼻づまり、
目のかゆみ
が中心です。
見分けるポイントは、
屋外より室内で強いこと、
朝起きたときにくしゃみや鼻水が続くこと、
布団に入ったときや掃除のあとに悪化すること、
そして季節を問わず一年中続くこと
です。
ぜんそくやアトピー性皮膚炎の悪化にも関わります。
ご家庭での対策は寝具の管理が中心です。
シーツやカバーは週に一度を目安に洗い、布団は干したあとに掃除機をかけると、死がいやフンを減らせます。
湿度は50〜60パーセントを目安に、こまめな換気も心がけてください。
とはいえ、掃除だけで症状をゼロにするのは難しいのが実際です。
日常ケアを行った上でアレルギーに対する内服や点鼻など行っても効果不十分な場合は、
舌下免疫療法
という選択肢があります。
当院で扱っている「ミティキュア」は、ダニのエキスを含む錠剤を毎日舌の下で溶かす治療で、5歳以上のお子さんに保険で使えます。
体質そのものに働きかけアレルギー反応を起こしにくくする治療のため3〜5年続ける必要がありますが、症状やお薬の量を減らすことが期待できます。
スギ花粉と違い、一年中いつでも始められます。
ただし、ぜんそくのあるお子さんには大切な順番があります。
ぜんそくのコントロールが不十分なまま始めると、発作を誘発するおそれがあるためです。
重いぜんそくのある方は、この治療自体を受けられません。
当院では、必要に応じて吸入ステロイドなどの予防のお薬でぜんそくをコントロールし、状態が安定したことを確認してから舌下免疫療法に進みます。
遠回りに見えても、安全に続けるために欠かせない手順です。
効果を感じるまでには3〜6か月ほどかかります。
初回だけは院内で服用していただき、その後は毎日ご自宅で続けます。
口の中のかゆみや違和感といった軽い副作用が出ることもあります。まずは一度ご相談ください。